令和3年12月号会報「東基連」編集後記

手話を共通言語とするサイニングストア「スターバックスコーヒーnonowa国立店」がオープンして、今月の27日で1年半が経つ。19人の聴覚障がいのあるスタッフと6人の聴者スタッフがともに働き、来店者とは「手話」や「筆談」などでコミュニケーションを取っている。手話ができなくても注文ができるように、指差しメニューなども用意されている。
地元の高校生がこの店を利用する中で手話を覚え、「たどたどしい私の手話をゆっくり待ってくれ、店員さんが皆さん笑顔で拍手までしてくださいました。」と喜びの声を寄せている。「共生社会」の重要性が語られているが、差異を軽々と乗り越え、多くの人々に喜びを与えていく姿に共感を禁じ得ない。
働く場所を一つのステージと看做せば、働くスタッフも経営者も、利用客や取引先さえも、そのステージに立つ俳優陣。人々に喜びを贈る、このステージを大成功へと導く必須のアイテムの一つは、先程の「nonowa国立店」に学べば、出演者が持ち合う互いへの敬意であろうか。
様々な問題がある労働の現場ではあるが、「どんな仕事でも、沢山の人々の幸せに繋がっている」と信じ、幸せを贈るキャスト達への敬意を、素直に表わせる自分自身でありたい。
小太郎