令和5年12月号会報「東基連」編集後記

居心地の良いうどん屋さんに出会った。店名に「串焼き」ともあり、夜は居酒屋に。しかし、ご主人が工夫する多彩な創作「肉汁うどん」が評判を呼び、いつしか老若男女が集う大人気店に。この店に入るだけでホッとする不思議さ。そして、私の一番の推しは「炙り鶏の柚子塩つけうどん」。これが美味しい。
しかし、旨いからと言って居心地の良い店とは限らない。いつも笑顔で、さり気なくお客さんの気持ちを掬い取る女将さん。顔は怖いが腕は確かで、訪れた客の好みを決して忘れないご主人。明るく気が利くスタッフ達。それらが渾然一体となり醸し出される、配慮に満ちた温かな雰囲気。これが居心地が良いと感じる理由であろうか。
ある上司から「人を『励ます』とは、その人に『自信を持たせること』。」と教えられた。自信を持たせるとは、「相手が本来持っている力を見つけ引き出すこと」とも。それは、相手をよく知ろうとするところから始まるのだろう。その人の話に耳を傾け、受け入れ、その通りだと共感する。そして、見えて来た本来持っている力の可能性を最大限に評価する。冒頭に紹介したうどん屋さんの「居心地の良さ」にも相通じる、配慮に満ちた信頼関係は周囲へも波及していくに違いない。
年頭の「編集後記」に、本年の歩みを開始するにあたり「会員の方々に必要とされるものを先駆けてお届けすることを心に定め」と記した。
この約束を果たすために、職員一同が懸命に駆け抜けた一年であったように感じる。これを更に確かなものとするためにも、職員を始め係わる人たちが居心地の良さを感じる職場であり続けたい。
今年もあと僅か。もうひと踏ん張りし、暮れには、居心地の良いうどん屋さんに年越し蕎麦ならぬ、年越しうどんを食べに行こう。オーダーは、「炙り鶏の柚子塩つけうどん」で。
(小太郎)

令和5年11月号会報「東基連」編集後記

先日、卒業45周年を記念する高校の同窓会が母校で開催された。5年毎の旧友たちとの出会い。前回との大きな違いに驚いた。それは、肥満体型仲間の激減。私と同様のお腹ポッコリは僅か2名に。悪友たちは、内科医を務める同期生の前に私を連れて行きアドバイスをと。「皆、どうして瘦せたのだろう」と訝る私。彼は「小太郎は大病をしていないだろう」と一言。確かにここまで、大きな病気を患ったことはない。彼は言葉を重ねた。「みんなは、大病を経験したんだよ。病と向き合い、真剣に体調管理に努めてきた。その結果だよ」と。
人生において、年齢に関係なく病気は襲ってくる。厚生労働省は「事業場における治療と仕事の両立支援ガイドライン」で、主治医や産業医等の意見を勘案し、配置転換、作業時間の短縮、その他の必要な措置を講じ、就業の機会を失わせないよう留意することを事業者に求めている。更に入院等による休業を要しない場合、要する場合について、「両立支援プラン」の策定等、それぞれ配慮すべき事項を示している。
「幸福の第1条件は健康である」と。その上で「病気になることが不幸なのではなく、病苦に負けてしまうことが不幸なのである」とも。病苦に負けぬ為に、職場を始め周囲の人々の配慮と励ましが支えとなる。寄り添われ、励まされることによって、人は立ち上がることができるのだから。
今回の同窓会。欠席者からのメッセージも読み上げられた。その中で幾人ものメンバーが、闘病中であること、入院加療中であることを明かし、病を克服し5年後の集いに参加することを約した。今、彼らの快復と皆の健康を真剣に祈っている。
さて、このお腹ポッコリをシュッ!とした体型に変え、5年後には旧友たちをあっと言わせるミッションを開始しよう。いや、開始する!
(小太郎)