令和5年3月号会報「東基連」編集後記

この一年間、「新人」という立場にいた貴方。今、どんな思いで、四月を迎えようとしているだろうか。コロナ禍での勤務には、常にも増して様々な困難があったことだろう。思い通りにいかない仕事に地団駄を踏んだことも。悔しい気持ちと涙を抑え、我武者羅に走り回ったことも。そして、再びの春を迎えようとしている。貴方は気が付いていないかもしれないが、周りの人たちは貴方の成長に祝福のエールを贈っている。
一人残らず、誰もが新人の時期を経験している。懐かしい思い出と振り返る人もいれば、辛く苦しい事しか思い浮かばない人もいるかもしれない。ただ、あの時、初々しい決意を抱き、武者震いをしながら、走り出した私達が確かにいた。そして、周囲にはそれを見守る人々がいた。
私の初任地は、知る人もいない初めて赴いた街だった。もとより力も無く、何も出来ない1年生の私。次第に元気を失う私を、上司はある言葉を示し抱きかかえるように激励してくれた。「大丈夫だ。先ず、やる!と決めるんだ。やると決意さえすれば、もう半分は出来たようなもんだ」。その励ましだけを頼りに、目の前の課題にぶつかっていった。
桜の開花情報のニュースが流れ始めた。まもなく、次の新人達との出会いを迎える。希望と期待、不安に満ちたその姿は、一年前の貴方、そしてあの時の私達だ。自身の新人時代を思い起こしながら、大切な彼らを温かく迎え入れたい。
「自分の心に固く決意すれば、目的は既に半分達成されたも同然だ。」(エイブラハム・リンカーン)
小太郎