令和6年4月号会報「東基連」編集後記

春は歓送迎会の季節。しかし、遡ること4年前の令和2年。横浜港に寄港したクルーズ客船での集団感染に象徴されるように、日本中に新型コロナウイルス感染症による困惑と不安が渦巻いていた。厚労省が「3つの密(密閉・密集・密接)」を避けるようにと公表。私の周囲では、全ての歓送迎会が中止となった。
今年の2月、「令和2年春の送別会を開催したい」との連絡が。異動の頻繁な組織なだけに、全員が当時の部署から離れていた。しかし、遠方にいる数名を除き14名が関東一円から集った。4年のブランクは瞬時に消え去り、当時の思い出話と現在の話。結婚した者、子供ができた者。時の流れは、それぞれの人生に新たな歩みを刻んでいた。
そして4年振りに出会う顔(かんばせ)は、全員が輝く笑顔に弾けていた。特に若い世代は、その相貌を大きく変えていた。どこか不安そうな気配を滲ませていた者たちは、確かな自信を内に秘めた表情に。屈折した感情を隠せなかった者たちは、真っ直ぐに前を向く明朗な姿へ。この年月の彼らの努力。そして彼らの上司・先輩・同僚たちの働きが、変化に繋がったことは間違いない。私ができ得なかったこと。感謝が溢れ、胸が熱くなった。
英語の「confidence(コンフィデンス)」は、「信頼」とも「自信」とも訳される。信頼は外側の問題、自信は内側の問題と捉えがちだが、その2つが一語に含まれている。信頼関係に包まれた動きの中で自信が生まれ、自信が満つる中で信頼関係が強くなる。「信頼と自信」は一体の存在。青年世代を信頼し、大切に育んでいきたい。そこで生まれた自信が次代を切り拓く。若い人を大切にする組織に、行き詰まりは無い。  
さて、我が職場の春の歓迎会。まずは有志による準備企画会を開催しましょう。勿論、会場はいつものあのお店で。
                     
(小太郎)