令和8年1月号会報「東基連」編集後記



初めて訪れた北海道浦河町。町の海岸から見る太平洋は群青色に染まり、空はコバルトブルー。遥か彼方の水平線上には雲が横たわり、雲と海の間からは夕焼けがオレンジ色の光彩を。その夕焼けを背景に、雲からはレースのカーテンのような銀の雨。北海道の鮮やかな、異なる色彩の共演に圧倒された。
浦河町を訪れるに至った発端は、浦河労働基準監督署からの1本の電話。「当署管内の牧場ではインド国籍を中心に外国人労働者が働いており、彼らに関係する労働災害が増加傾向に。そこで、外国人労働者の災害防止をメインとした講習会を東基連と共催したい。ついては、講師の派遣を。」と。
新冠町、新ひだか町、浦河町等の日高エリアは国内有数の競走馬の産地。しかし、高齢化等の影響もあり携わる労働者が減少。そこで、サラブレッド等の競走馬の育成が盛んなインドから経験者が在留資格「技能」で入国。令和7年10月末の浦河町の外国人住民登録は617人。その7割弱の416人がインド国籍。町の人口11,044人の5.6%を数え、全国平均の3.04%を大きく超えている。行政機関もヒンドゥー語の通訳の配置や共同購入した野菜の配達などの生活支援にも取り組み、多くの人々が外国人との共生社会の実現に努力を重ねている。
東基連は、本年度も厚生労働省からの委託を受け「外国人労働者安全衛生管理セミナー」を全国で開催。セミナーでは、共生社会に繋がる数々の取り組みを紹介しているが、その中に「やさしい日本語」も。言葉は「壁」にもなるが、「架け橋」ともなり、「翼」にもなる。本号の「桃樹のちょこっと用語」でも紹介した「やさしい日本語ラップ やさしいせかい」は、「やさしい言葉があふれてる世界をつくろう♪」と呼び掛ける。
外国人労働者が職場を支え、地域で共に暮らす今、互いの差異を認め合う「共生社会」を目指す大切さを、改めて強く感じる。
(小太郎)№48
【桃樹のちょこっと用語】
やさしい日本語ラップ 「やさしいせかい」
やさしい日本語ツーリズム研究会が、明治大学国際日本学部山脇啓造ゼミナールと協力し、「多文化共生」、「インクルーシブ」、「寛容な社会」の実現を目指して作成した「やさしい日本語」をテーマとするラップビデオ。2021年9月30日に公開。2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞に入選。東基連の「外国人労働者安全衛生管理セミナー」でも紹介。下記のリンクから視聴できます。