令和6年7月号会報「東基連」編集後記

6月の全国安全週間準備期間では、多くの企業・団体が安全に関する催しを開催した。
ある建設会社の安全大会での来賓の挨拶。その来賓は冒頭で、信号の無い十字路に、毎 月決まった日に花束と缶ジュースが添えられること。そして、かなりの年月が経つが、 花は絶えることなく毎月添えられていること。恐らく交通事故の被害者のご遺族か親し かった友人の方々が、いつまでも故人を偲んで置かれるのであろうと。
そして、建設現場においてはそのようなことは出来ないが、せめてこうした大会の日に、災害に遭われた方々に対して「私たちは皆さんの残してくれた教訓を忘れません。それを守り日々安全に取り組んでいます」と報告することもまた、安全大会の一つの意義であろうと語った。
労働安全衛生の傍らに立つ者の一人として、多くの労働災害の調査に立ち会ってきた。その全てを鮮明に記憶している。
17歳の労働者が機械に激突され亡くなった。災害調査を進める現場に、被災者の母が現れ、花束を握りしめながら、いつまでも立ち尽くしていた。こんなことはあってはならないと強く思った。
本号の発行日である7月1日は、全国安全週間の初日でもある。この日を「安全の元日」と呼ぶ人もいる。これから始まる1年間の「無事故・無災害」を祈るスタートの日。「我が職場では災害は絶対に起こさない」と、皆で決意を固める日でもあろう。
7月1日がスタートの日ならば、ゴールは1年後の今日。次に迎える7月1日に、職場の全員で「無事故・無災害」のゴールテープを切るとの決意を、日々新たにする365日でありたい。
(小太郎)