訪れた札幌の街には、澄み渡る碧空が広がっていた。白樺の林を透かして見る、中島公園の菖蒲池の水面は翠色。池の周囲の木々には紅葉の走りが。「第85回全国産業安全衛生大会IN札幌」。本号でも詳しく紹介したが、9月16日から18日にかけて「大地にみなぎる 安全・健康・決意の力」とのテーマを掲げ開催された。分科会等での発表にも多くの気付きを得たが、コンビニエンスストア「セイコーマート」を運営する(株)セコマの丸谷取締役会長の、「人口減少、高齢化と向き合う経営」と題した総合集会での特別講演に引き込まれた。
丸谷会長は、人口の減少や過疎化、高齢化が進む地域の問題点を見据えた上で「こういう時代だからこそ、自分達の事業は何のためにあるのか? その本質を見つめ直すことが必要」と。そして、全道に1,087店舗を配置。年間で2億3,000万人のお客様が来店。北海道の人口で割れば、年間1人平均46回にもなる。また、北海道の豊かな物産の恵みが商品の原材料となり、事業を支えていると。
そして、人口900人、高齢化率40%の紋別市・上渚滑地区に言及。唯一の商店が閉鎖となり無店舗地域に。住民組織からの強い要望を受け、行政とも連携し出店。住民の望む商品を揃え、物流を含むグループ全体で取り組み、持続可能な仕組みを構築し黒字化に。「北海道の基礎自治体は179。そのうちの175に出店し、人口カバー率は99.8%。」と。
講演を聞きながら、冒頭の「何のためにあるのか?」との答えは、丸谷会長が繰り返し発せられた「地域と共に、存続発展する。」に集約されていると感じた。(株)セコマは、顧客満足度指数(JCSI)第1位を11年連続で獲得している。それは、この答えを具現化しようと挑む一人一人の積み重ねの結果でもあろう。「自分達の事業は何のためにあるのか?」。改めて、本質を見つめ直すことの大切さを学ぶ機会となった。
№58(小太郎)
